若年者と老年者を比較しますと、全身状態において老年者は自然治癒率は低下します。
インプラントも当然、老年者には不利になります。治療後も若年者に比較して
短期的に全身的条件が変化しやすいといえます。
しかし
いったん良好な骨結合が得られるとプラークコントロールが芳しくなく、周囲粘膜に炎症が起こった場合も、若年者のように急激な変化が起こりにくいため、かえって
メンテナンスに大きな問題とならないという特徴もあります。
よって老年者にインプラント治療を行う場合、患者さんの考え方が一番重要です。

一方若年者は、創傷の治りもよく、崩壊の危険性も少ないですが、
若年者特有のリスクもあります。それは、非常に長期間にわたって機能が望まれるため、再治療ができるよう、
常に周囲組織の状況に目を配らないといけないことです。また、若年者は免疫反応が活発であるため、
いったん炎症が起きると、早期に拡大する恐れがある、ということです。
以上の点からも老年者にもまして綿密な定期健診が必要となります。
今後は、老年者、若年者それぞれの特徴を考慮したインプラントシステムが考えられるべきだと思います。